武蔵野美術大学での4年間を終えて。

昨日は大学の卒業式でした。

もともと高校では男子のみの工学科に所属していましたが、大学へ入学すると周りは女子ばかりでした。驚くことに僕が所属していた版画専攻の男は僕を含めて2名だけだったのです。はじめは違う惑星に来てしまったような感覚でしたが、みんな物事に対するこだわりがはっきりしているし趣味の領域を超えた所に自分の好きな物がある人たちばかりでした。だからこそこの人たちの話しを聞いて、好きなことに対する熱に触れる日々は、とても刺激的で高校生の頃には体感できなかったことでした。

卒業した今さらになって気が付いたことですが、僕は何かに”偏愛”をする人が好きなのかもしれません。自分のやりたいことが身の周りの役に立たなくても、誰かに理解されなくてもただただ好きだと言える自分のものさしを持った人が好きなのかもしれません。

 

大学生活自体はどこの大学生とも変わらないと思いますがゼミやサークルやバイトなど、興味ある活動に参加することや受けてみたい授業を選択することを自分自身が主体で選ぶことができたので、より自分のやりたいことへの興味を深められました。卒業式で「人生の夏休み終了」という文字を掲げて卒業証書をもらう卒業生に共感してしまったと同時に、半ば強制的にレースを下ろされるような感覚にもなりました。

 

僕の専攻は人数が少ない分交流が深くあったので思入れも強いです。美術大学という自分のやりたいことに熱中し取り組むことのできる楽園から、社会に出た時の大きな落差に精神的な消耗もたくさんあると思います。しかし今になってそんなぬるいことを言っていられないのでやるしかありません。

みんなの卒業後の進路は多様で、絵本作家、職人、大学院進学、就職、などそれぞれです。昨日の謝恩会の時には教授が、「今日でほとんどの人と会わなくなるから、ちゃんとお別れをするんだよ。」というようなことを言っていましたが、僕はそうは思っていません。卒業と同時に制作をやめる人も、この先も続けていく人もどうか幸せに生き抜いてください。僕も頑張ります。またみんなで集まりましょう。

 

この4年間は僕自身の人生のなかで、大きな分岐点となりました。

このきっかけを掴むためのチャンスをくれた両親、変なことをしていても見守ってくれた版画研究室と学生たち、好きなことに挑戦させてくれた関野先生、窯のとき一緒に飯食べて夜を明かした窯工の友達。だれがこの文章を見てるか分からないけど、大学で出会ったみんなに感謝します。

ほんとにありがとうございました!!!!!!!!!